パテは主に補修用の材料として、キズやヘコみを埋める用途に使われますが、用途と目的によって非常にバラエティに富んでいます。
また、補修で無い場合も、例えば木工のときのクギ頭やネジ頭を隠すために使うこともあるでしょう。
そこで今回はパテの中でも、主に木工の際に登場するパテについて焦点を当てたいと思います。
パテについて
パテは以前は「補修用」としての認識しかありませんでしたが、最近は技術も非常に進歩し、補修だけではなく「造形用」のものまでが現れました。
使い方においても、チューブ入りだったり粘土の感じだったりと、非常に簡単になって来ています。
用途においても木工用以外にも、金属用、プラスチック用、水中用と言ったものまであり、また、使い方に関しても、乾燥させるものだけではなく、「光を当てて硬化させる」といったものまでが出ています。
さて、木工パテに関してですが、主なものを見ていくと、アクリルエマルジョン系の木工パテと、エポキシパテの2種類がメインで使われています。
木工パテとエポキシパテの使い方
木工パテとエポキシパテの使い分けは、補修を目的とする場合は「小さな傷」は木工パテで、「大きなキズやヘコみ」はエポキシパテの使用が定番です。
(1)木工パテの特徴と使い方
木工パテはチューブ入りのパテで、練り歯磨きの様な感じのパテです。
比較的柔らかいので、細かいキズなどを修復するのに向いています。
乾燥後は削ったりペーパーを掛けたりするのが比較的簡単にできます。
欠点としては、乾燥すると肉ヤセをする点が挙げられますので、大きい部分の補修には不向きです。
(2)エポキシパテの特徴と使い方
エポキシパテは基本が2液性(2種類の材料を混合して硬化させる)のパテなのですが、ホームセンターなどで販売されているものは、2種類の材料を粘土状にパッケージしてあり、使うときに粘土の様に練り合わせて使うタイプが多いです。
使う感じがコシのある粘土に似ているので、細かい部分に入れることは少々難易度が高いのですが、硬化後は非常に硬くなりますので、大きい補修の部分に使うのが良いです。
木工パテの塗装
木工パテの塗装の前の、木素材の塗装について復習をしてみましょう。
木の塗装にはいくつかの種類がありますが、大きく分けて、「木材に塗料を浸透させて風合いを作るもの」と、「木の表面に塗膜を形成し、表面を守るもの」があると言えます。
木の塗装の参考記事はこちら!
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ビンテージワックスの使い方!色移りや臭いは?小箱の塗り方は?
ここでパテに関してですが、絶対に忘れてはならないのが、「木工パテは、あくまでもパテであって『木』ではない」ことです。
ですから、オイルやワックスで木の風合いを楽しむことをパテに望むのはいささか難しい感じもします。
また、色もどうしても違って来ますので、ニスなどの「透明」なものでも、もしかしたら補修跡が気になってしまうかも知れません。
ですから、やはり塗膜を作る不透明なタイプを選ぶのが良いでしょう。
けれども、それでは「塗装にこだわるのが難しいのか」と言った疑問も出るかも知れませんが、不透明であれば色々楽しめますので、例えばバターミルクペイントで塗装した後に研磨、そしてワックス仕上げなど、工夫次第でバリエーションはいくらでも可能です。
エポキシのネジ穴強度は
エポキシパテは全体で見ると、金属用、コンクリート用、プラスチック用など、非常に広範なのですが、いざ「ネジを立てる」となると、そこに強度が謳われているものはなかなか見当たりません。
これはエポキシパテが決して弱いわけではなく、あまりにも種類がたくさんありすぎる為とも言えるでしょう。
ところで、ネジ部分の補修用には「ねじパテ木部用」が用意されていますので、そちらを使うのがオススメです。
エポキシパテでは無く、酢酸ビニルエマルジョン系ですが、ねじ補修が目的なので、これが良いかと思われます。
このねじパテですが、使い方はネジよりも2mm程度大きい穴を開けて埋めた後でねじが使える様になりますが、驚くべきことは、目安の荷重が16kg、最大引き抜け荷重が80kgを誇る点です。
当然ながら施工方法や条件にもよりますが、この数字は非常に魅力的です。
まとめ
木工パテやエポキシパテは非常に便利でありますが、あくまで「木」では無いこと忘れないでおくべきです。
ですから表面の補修にも色や風合いなどを考えると、どうしても限界が出てきます。
しかし、「木」では無いため、ねじ穴の再生など、木には不可能なことを可能にするのもパテの強味です。パテの強味・・・この強味を生かして、物を大切に使い続ければいいな・・・と思います。