本日は、身近にあるけれども、実はよく分からない、使い方を勘違していることが多い、タッピングビスについて解説していきたいと思います。
タッピングビスとは、原則的に鉄板などに下穴を開けて止めるビスを言います。
ですから、下穴を開けずに、使える先端がドリル状になっているものは、厳密にはタッピングビスとは異なります。
今回は、勘違いも多いタッピングビスの使い方などについて解説していきたいと思います。
タッピングビスの種類
タッピングビスは、たくさんの種類がありますが、今回は、DIYなどで使用することを想定した基本的なものを解説していきたいと思います。
まずタッピングビスの頭の形は、大きく分けますと、ナベ、トラス、皿、バインドと4種類に区分することができます。
タッピングビスの先端部も、その止めるものの材質により細かく種類が分かれております。代表的なところですと、
▪️Aタッピン:先端までネジ山があり、ピッチが一番荒いものを言います。薄い鋼板などに使用します。
▪️BOタッピン:先端がテーパーになっています。樹脂などに適しています。
・B1タッピン:先端がテーパーになっており、なおかつ先端がカットされているものです。樹脂、硬質ゴムなどに使用します。
・C-0タッピン:先端がテーパーになっておりますが、ネジのピッチが細かくなっています。鋳物や構造鋼などに向いています。
・C-1タッピン:B1のような先端になっていますが、ネジのピッチが細かくなっています。これも、鋳物や構造鋼に向いています。
頭の形と先端の組み合わせにより、タッピングビスの商品ラインナップがなされていると考えればたくさんありますが、選ぶときに迷わなくて済みますね。
タッピングビスの強度
数式が苦手なので、調べてもよく分からないかもしれません。ましてや、物理や数学が苦手な方はさっぱりだと思います。
そのような方のために、ざっくりとお話しさせていただきます。
タッピングビスの太さは様々ありますが、おおよそ5ミリの太さのタッピングビスですとその強度は、800キロぐらいです。
ですから、鉄骨同士を止めるなど以外の通常の使用であれば、折れたり、破断したりすることはまず考えられません。
ですから、DIYでの使用を考えた場合には、強度は心配しなくても大丈夫です。どうしても心配な場合には、止めるものの材質などをメモして、専門店で聞いてみてください。
タッピングビス用の下穴の大きさとは
一番先にも書きましたが、タッピングビスを使用するには、下穴が必要不可欠です。では、どのくらいの下穴を開ければいいのか解説していきます。
- 鉄板の厚み 0.6ミリまでは、下穴は不要です。
- 厚み 0.8ミリの場合は下穴 3ミリ
- 厚み 1ミリの場合は下穴 3.1ミリ
- 厚み 1.2ミリの場合は、下穴 3.2ミリ
- 厚み 1.6ミリの場合は、下穴 3.3ミリ
- 厚み 2.3ミリの場合は、下穴 3.6ミリ
- 厚み 3.2ミリの場合は、下穴 3.7ミリ
- 厚み 5ミリの場合は、下穴 3.8ミリ
- 厚み 10ミリの場合は、下穴 3.9ミリ
以上のようになっておりますので、下穴を開ける際の目安にしてください。下穴を開け過ぎますと、タッピングビスが効かなくなる可能性がありますのでご注意ください。
タッピングビスはどのように使用するか
タッピングビスを使用するには、とにかく下穴を開けなくてはなりません。
お手持ちの、道具がインパクトドライバーだけでしたら、5ミリまでの鉄板であれば、穴を開けることは可能です。
それ以上の厚さになると、ポール盤などが必要になります。それでは具体的な手順について説明していきます。
①鉄板穴開け用のビットを準備しましょう。
②穴あけ位置に、ポンチをします。ポンチをしませんと、先端が暴れてしまい、所定の位置に穴あけできなくなりますので注意してください。
③ポンチしたところに、熱を放出させるために、少量の切削油やオイルを垂らします。
④準備ができましたら、穴を開けていきます。
⑤これで下穴は完成です。
⑥それから、鉄板に合わせる材質により、タッピングビスをチョイスして、材料同士を締め込んでいきます。
ビスを止める時に全般に言えることですが、きちんとねじ山のサイズに合った、十字ビットを使用するようにしましょう。
ねじ山を潰してしまいますと、非常に厄介なことになります。
最近では、ねじ山を潰してしまっても、「ねじザウルス」をはじめとして、レスキューできる器具が充実してきていますので、外れないという最悪な事態は免れるとは思います。
ですができれば、お世話になりたくありませんから、タッピングビスのネジの頭のサイズをよく確認をしてください。
まとめ
木だけではなく鉄板も使用することで、作品の幅も増やすことができますので、ぜひ参考にして、物作りに役立ててみてください。