石膏ボードアンカーの強度や耐荷重は?種類や使い方を解説!

住宅の内装などに使われている石膏ボードですが、住んでいると、壁に何かを取り付ける必要に迫られるものです。

そういった時に使うアイテムの一つに「ボードアンカー」があります。内装に使われる石膏ボードは、壁材としての防火性能などにはすぐれますが、素材の脆さなどの弱点もあります。

ボードアンカーは石膏ボードにしっかりと固着し、ネジが締結出来るようにします。

ボードアンカーにはどんなものがある?

ボードアンカーの種類には、構造による違いと材質による違いがあります。構造による違いは、「ボードの裏面から押さえて固定するタイプ」と、「ボードの裏面で開いて固着するタイプ」に分けられます。

ボードの裏面を押さえるタイプは、最初にボードにドリルなどで下穴を開け、その穴にアンカーを挿入し、そして締結ネジなどを締めると、挿入したアンカー先端の部分が、ボードの裏側から押さえつけて固着します。

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丁度ボードの裏側に「返り」が形成されるイメージなので、非常に強力に固定できます。

一方で、ボードの裏側で開くタイプは、アンカーの先端がドリル状になっているので、下穴を開けずにボードに打ち込めます。

打ち込んだ後にネジなどを締め付けると、アンカーの先端が鳥のクチバシの様に開き、ボードから抜けない様に固定します。

次に材質による違いです。材質は大きく分けて、金属系とプラスチック系があります。金属系の主なものはスチールにメッキが施されているものですが、中には亜鉛ダイキャストなどのものもあります。

プラスチック系のアンカーは、主にナイロンなどの材質が採用されていますが、中にはガラス繊維を混入して強度を上げているものもあります。

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ボードアンカーの耐荷重は?

ボードアンカーのパッケージ上の耐荷重は概ね5kgくらいになっています。

しかし、パッケージ裏面を見ると、引き抜き強度の値が、表面の強度の値とずいぶん違っていることに気が付きます。(表面が6kgで裏面が30kgとかの違いです。)これは二つの理由が背景にあります。

一つは「安全性」の観点からです。一般に、工業製品の実際に使用する強度は、安全性を考慮して、実際に破壊する強度よりもかなり少なく設定しています。

例えば1トンで破断するワイヤーロープには300kgまでしか載荷しない、と言った具合にです。これにより工業製品の安全性を担保することが可能です。

二つ目には、引き抜き強度の測定方法があります。普通、ネジなどの引き抜き強度は、試験片に対して垂直に、そして載荷スピードを一定にして破壊荷重を測定します。イメージとしては、ジワジワと加える感じです。

しかし実際の使われ方は、衝撃が加わることさえ少なくありません。ですから安全性を確保するために、荷重の設定を5kg程度に抑えています。

使う際の注意など

アンカーを打ち込む際に、最初に注意したいのが、打ち込む位置をズレないようにすることです。

まずはケガキをきちんとすることです。そして、裏側から押さえつけるタイプのアンカーの場合は、下穴を正確な位置に開けることが重要です。

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また、下穴の要らないタイプのアンカーは、意外に打ち込む際にアンカーがドライバーから外れてしまったり、曲がって入ったりしますから、ボードに対して垂直に打ち込むことが重要です。(下穴の要らないタイプのアンカーを打ち込む際の工夫として、ボードのケガキの位置に、深さ2mm程度のドリル跡をつけてやるとアンカーの位置が決まって、正確に入る場合もあります。)

また、打ち込む際のパワーにも配慮が必要です。ネジ締結にはインパクトドライバーが便利ですが、ボードアンカーのパッケージを良く見ると、「トルク調整」などの文言を見かけることが少なくありません。トルクを掛け過ぎるとボードは壊れますので、締め付ける時の工具の選定なども大切です。

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まとめ

石膏ボードにアンカーを打ち込んで使用するには、注意すべき点が色々ありますが、材料の特性などを考えて使えば決して怖い部品ではありません。使用する前に目的と用途を予め考えて、更に余裕を持たせるイメージで使用しましょう。